悲惨ビフォーアフター

私が住んでいるワンルームのアパートは、バストイレが別で、キッチンも独立なので、住まい勝手はいいが、収納スペースがほんのわずかだ。なんとか工夫をしてはいるものの、気づくと洗濯したものを積みあげ、また洗濯しては積み上げしているうちに、部屋すべてが洗濯もので埋まった。
「なんとかせねばいかん」と思いながら、しまうスペースがないばかりにいつかやろうと思いながら、半年が過ぎた。

半年というのは、夏物と冬物の入れ替え時期なのに、部屋には冬服があふれていた。
ある日、朝方に寝ぼけてトイレに行こうとしたら、洗濯物に足をひっかけて、見事にすっころび、ヒザとおでこに子供でもつくらないようなひどいアザを作った。

さすがに、命の危機を感じた時、テレビで「ビフォーアフター」が放映されていた。
ビフォーのとんでもない状況からアフターの素敵な部屋への変貌に、感動した。
そして、自分の部屋を、ビフォーアフター並みにやってやろうじゃないか!と一念発起して山積みになった洗濯物の選別から始めた。

冬着、Tシャツ、下着から今から使う夏着まで、きっちりと分け、しまおうと思った時に、気づいた。
「この服しまう場所ないじゃないの?」
そこで、近くのホームセンターへ行き、安売りしているタンスを買い、戻ってきた。

しかし、悲しいかなワンルーム。
そのタンスを置く場所を確保するために、また、部屋にちらばった本を整理するはめになった。

一時期流行った本で「ときめかないものは捨てましょう」という技があれば、何の問題もないと思っていた私は甘かった。
全部の本にときめいてしまったのだ。

さらに懐かしいマンガなども出てきて、読み始めてしまったからもうダメだ。気づけば深夜。
買ってきたタンスはいまだ段ボールに入ったままで、この本はときめく、この本は捨てられない・・・と本は山積みのまま、さらにぐちゃぐちゃだった洋服は、新品のタンスにしまわれることなく、きっちりとたたまれたまま、山積み。

参った・・・と思いながら、今でもマンガを読んでいる。ときめきながら・・・。
本末転倒なのか、ときめきに従った私が悪いのか。とにかく今の部屋の中はビフォーアフターどころか「ビフォーもっとビフォー」状態になっている。

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